不登校のお子様の保護者様の中には「自分の育て方が悪かったんじゃないか」と思われる方も多いのですが、お子様の「特性」は遺伝子レベルで決まっていると言われています。元々ご本人が持っているものなので、保護者の方が責任を感じる必要はありません。
ただ、この先、わが子が成長するためにはどのように接したら良いかという部分はとても重要です。苦手分野を持ちながらでも、子供が社会で居場所を見つけられるように、良いところを最大限伸ばすための働きかけを共に考えていきましょう。
私自身、小中での不登校の経験はありませんが、大学で体調をくずして引きこもりがちになってしまいました。全寮制のフリースクールでの運動療法や復学後にもさまざまな体調管理法を試し、自分に合っているやり方を徐々に確立していきました。大学卒業まで7年かかり、両親にはだいぶ迷惑をかけましたが、自分としては価値ある時間だったなと思っています。
不登校のお子様にも同じことが言えると思います。それぞれ課題が異なるので、やり方も十人十色だと思います。さまざまな方法を試して自分に合っている生き方をみつけましょう。「不登校でせっかく時間ができたのだからとことん自分自身に向き合ってみよう」という見方もできると思います。
個別指導塾FALの考え
不登校になった児童生徒の47%が学業不振を不登校のきっかけ要因の一つに挙げています。(文部科学省委託事業不登校の要因分析に関する調査研究 結果の概要 令和6年3月公表)
勉強についていけない子、勉強嫌いになる子の原因はさまざまです。学習障害や発達障害があったり、特性にでこぼこがあったり、学習できる家庭環境でなかったり、人によって抱えている問題はさまざまです。学校の授業だけですとそういった課題を抱えている生徒を一人一人伸ばしていくのは難しい現状があります。授業が苦痛になって学校自体が嫌いになってしまうとせっかく良い友人関係が築けていても、熱中できる部活があっても学校に行けなくなってしまいます。不登校になることで勉強以外にもさまざまな機会を失ってしまうのはもったいないことだと思います。勉強ができないのは本人の特性であるのに周りから「怠惰な人間」というレッテルを貼られてしまうことで、自己肯定感が下がり、勉強が嫌いになってしまいます。嫌いなものはより取り組まなくなるので、余計にできなくなって負のスパイラルに陥ってしまうというお子さんが多いように感じます。
そこでえこっち塾では人と比べたり、「〇年生だから~」というくくりをいったん取っ払って、まずはできることを1つずつ増やしていくということを大事にしています。中学生が小学校の算数から取り組むのもOKです。一番取り組みやすい科目、できる単元からスモールステップで積み上げて、「できた!」という自信をたくさんつけてもらいたいです。自信がつけば「大嫌い」だった勉強が「大好き」まではいかなくても「嫌じゃないな」くらいには変化していってくれますよ。
勉強が元々好き、得意という不登校生もたくさんいます。体調や対人関係など学習とは別の分野に課題を抱えていて、学校に行けなくなっているお子さんです。そういったお子さんもせっかく勉強へ向き合う準備があるのに、不登校の期間が長くなるにつれ、学習機会を失い、勉強が遅れがちになってきてしまうのはもったいないことです。勉強を武器にできるように負担のない範囲で学習する環境を持ち続けることが重要です。元々学習へ興味があるお子さんは受験で必要な内容だけでなく、知りたいと思った分野をとことん突き詰めることもプラスになるはずです。そういった本人の興味や自主性を伸ばしてあげられる環境も提供できたらと考えています。